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2021年はクラブ音楽「ハンズアップ」を聴こう!

今年はハンズアップが来る!2021年はハンズアップの年になるぞ!今のうちにハンズアップの古典をおさらいして最新のハンズアップを聴かなきゃ!

思い返せば去年一昨年あたりがあらゆるカルチャーでの90年代リバイバルのピークだったと思う。だとしたら次は2000年代にスポットライトが当たる頃合いではないだろうか。皆がマイヤヒーマイヤフーと口ずさみ、warezの指南書が書店で売られていた頃のクラブシーンのメインストリームはハンズアップ。そんな2000年代に思いを馳せつつ、新旧ハンズアップのオススメ楽曲を紹介する。

ハンズアップは死んだ。しかし、今、ハンズアップは蘇りつつあるのだ。

YouTubeSoundCloudの埋め込みが多数あるので携帯で開く際は要注意。

どういう音楽?

ユーロダン*1がトランスやハードスタイル*2の影響を受けて進化したものがハンズアップ(Hands Up/Handz Up)とされている。詳しいことはIshkur's GuideのHarddanceのあたりを見てほしい。Dancecoreと呼ばれることもある。

ユーロダンス譲りのわかりやすくキャッチーな曲調はそのまままに、ハードダンス系の強いキックや近年のEDMに通ずるフォーマットという武器を手に入れた究極系。BPMは140-150とやや速め。

ダンスミュージックは好きだけどハンズアップは知らない!という人でも一度聴けば「ああ!これがハンズアップなんだ!」とわかるはず。

なお筆者はクラブなどの現場で聴いた経験が無いので、そういった方面でのコメントはできかねる。また、Genre Policeもお断りだ。

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新旧おすすめハンズアップ

独断と偏見で選んだ曲を紹介。まずは2000年代の伝説的な曲から紹介。

ポップス寄り

誰にでもオススメしやすいところ。

Groove Coverage - Moonlight Shadow
Groove Coverage - God is a Girl

ハンズアップを語るとき絶対に外すことができない2曲。どちらもカヴァー曲。2018年にリリースされたW&W and Groove Coverage - God Is A Girlもオススメ。

Cascada - Bad Boy

歌詞が案外切なくて良い。ボーカルも力強くてかっこいい。

Cascadaのファーストアルバム「Everytime We Touch(邦題:いつでもタッチ!)」は日本でもチャート入りを果たした。

AVGN Theme Techno Remix

テンポはやや遅いがサウンドは近いものがあるので紹介する。ジャンル警察お断り。早回しすりゃ一緒じゃん。

ヤツは過去に遡ってクソゲーを掘り起こす怒りのオタク。悪いなのび太、このフロアは縦ノリなんだ。

クラブミュージック寄り

歌モノではあるがクラブミュージックのフォーマットに寄ったものや、インスト+MCのものを紹介する。

Special D - Come with me

これこそがハンズアップだ!という感じの非常にわかりやすい曲。底抜けの明るさはハッピーハードコアの空気感すら感じさせる。

Basshunter - Vi sitter i Ventrilo och spelar DotA

パソコンオタクで有名なBasshunterの代表曲。題名・歌詞はスウェーデン語で「僕らはボイチャしながらDotAをプレーしてる」という意味。LANパーティーで歌ってるPVが印象的。

99年のユーロダンスDaddy DJ*3からのサンプリング。歌詞は違うが「All I Ever Wanted」という題名でリメイクされている。

Base Attack - Techno Rocker (Rob Mayth Remix)

インスト+MCの正統派クラブミュージック。箱で聴いたら気持ちいいだろなあ。

DJ THT - Live 2 Dance

悲しげなメロディーで歌詞は単純明快。リメイクのLive 2 Dance 2k20も変わらず最高なので聴いておこう。生きるため踊り、踊るため生きる。

DJ Gollum ft. Dj Cap - HandzUp Isn't Dead

周りはハンズアップは死んだ、もう終わった、もう戻ってはこないと口にする。それがどうしたっていうんだ!ハンズアップは死んでいない!僕らが生きている限り死ぬことはないのさ!といった意味の曲。

will never dieではなくisn't deadなあたりがもうね。2021年、ハンズアップは蘇るのだ。

最近のやつ

2010年代からごく最近のものを聴いていこう。昔風のサウンドを近年の高性能な機材やソフトの透き通るような音でブラッシュアップしたパターンと、今風の音で固めたパターンの2種類があるので意識して聴くと面白い。

USAO & DJ Nanashi - The Rampage

J-Coreシーンを牽引するHARDCORE TANO*CからリリースされたBright Colors 3に収録。ハンズアップだけど色々クロスオーバーしてて新しい。日本人作家らしいメロディアスで派手目な音使いも要チェックだ。

Portal - Want You Gone (Summertunez! Remix)

Portal2のエンディングテーマ。Summertunez!は他にも有名な曲のリミックスを手掛けているのでチェックしたい。どれもクオリティーが非常に高い。というかSummertunez!っていう名義が良すぎる。

構成もよく出来ているし、一瞬でブチ上がる良質なトラック。

Naellow - Bumpin (Danstyle Remix Edit)

声ネタモリモリのインスト曲に仕上がっている。ダッキングを過剰なほど掛けたサウンドに誘われ自然と身体が動いてしまう。

Fast Ballerz - Dance Monkey (Nick Skitz & Basslouder Remix Edit)

キックが強い。間奏のボーカルの刻み方もカッコいい。

Ti-mo - Stay

もしかしたらDa Tweekazによるハードスタイルリミックスの方が有名かもしれない。両方聴こう。

構成も音も今風で良い。2番ビルドアップのカートゥーン的効果音が可愛くてお気に入り。

Basslovers United & Grrtz - Light Up The Night (Hands Up Edit)

原曲はトロピカルハウス風味なのだが、比較して聴いてみるとあまりの違いに驚く。とても楽しいリミックスに仕上がっている。

Giorno & Critical Strikez - Darkness

バッキバキのリードシンセとプラッキーなベースが特徴的。どちらかというとハードスタイルに近いかも。

Phillerz & Shinzo - Origins

インスト+声ネタのエネルギッシュな1曲。

Shinzo - Bad Idea

しっとりした曲調とドロップのノリの良さのメリハリがすごい。ハードスタイルになったBad Idea 2k21もおすすめ。

DJ Gollum ft. Dj Cap - The Strike

2019年のEaster Raveのアンセムで、この他に12人のDJによるリミックスがある。それぞれ音や構成が違うのはもちろんだが、ハンズアップ以外の様々なジャンルでリミックスされている。ここからお気に入りのDJを見つけるのも1つの手だろう。

DJ Gollum ft. Dj Cap vs Mark Breeze - Electronic Universe

2018年のEaster RaveのアンセムUK Hardcore仕立てなMark Breeze Remixもアツい。

MILK CROWN - Summer

音楽のみに留まらずアニメやCMなどからもフレーズをサンプリングして作られた怪しい音楽が入ったCDをリリースしている無責任レコーズのSamplogistZに収録。同人CDかつ通販が無いので入手するのが難しい。このXFDの6分くらいのとこ。

あの映画のサウンドトラックのリミックス。キャッチーで繊細なメロディーラインはハンズアップの鋭いリードシンセとの相性もバッチリ。

Today I Just Wanna Party

これが2021年のハンズアップだ!

アンセムリバイバル

80年代90年代の電子音楽の名曲をハンズアップで聴こう!

ポップスのリミックスの場合はChorus(いわゆるサビ)だけ使ってクラブミュージックのフォーマットに落とし込むものが多い。

BoomTown - How Old Are You (Megastylez Tribute 2 Master Blaster Re-Cut)

原曲は80年代のイタロディスコ。

Rob Mayth - Barbie Girl

言わずとしれた90年代ユーロダンス/バブルガムダンスの名曲。

Starflyer - Na Na Hey Hey, Kiss Him Goodbye

1969年の同名の曲のリミックスだが、どちらかというと2006年のCrazy Frogのやつのほうが近いかもしれない。

Nick Skitz vs. Studio-X feat. Bridgette - Got The Groove (Basslouder Remix Edit)

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ゲーム音楽

HHH - Dazzlin' Darlin (beatmania IIDX 15 DJ TROOPERS)

筆者が音ゲー畑からこの世界に足を踏み入れるキッカケとなった曲。最近は滅多にゲーセンに行かなくなってしまったが、行くと必ず1回はこの曲を選ぶほど大好きな曲。

SUNLiGHTに収録されているバージョンは音的にも構成的にもクラブミュージックのフォーマットになってるので他のハンズアップの曲と繋げやすい。

ボーカルはKate Lesing Vocals Vol.1を使っている。

チョッキンリミックス (リズム天国 ザ・ベスト+)

※英語版の動画が高品質だったので英語版。内容は一緒。

BPMはやや遅いがサウンドはハンズアップそのものなので紹介。しろいおばけが塀に隠れたときも曲が流れててかわいそう。

enV - Bestammelse (Electronic Super Joy)

死にゲー志向のアクションゲームElectronic Super Joyのアツいボス戦BGM。

この曲の他にもハンズアップ風味な曲があるので気になったらプレーしてみよう。個人的にはReviveも好き。

ハンズアップ豆知識

ジャンプスタイルは兄弟

Italobrothers - Stamp On The Ground

3連符の跳ねるようなリズムを軸にしたハードダンス音楽。またジャンプスタイルという踊り方の名前でもある。

ハンズアップとのクロスオーバーも盛んに行われる。ハンズアップの一部分だけジャンプスタイルにするとか。

ハードスタイルとは相互に影響を与え合う関係

こちらも仲良しなのでクロスオーバーがよくある。ハンズアップだけど途中ちょっとだけハードスタイルキック使うとか。

Easter Rave

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ドイツで行われるハードダンスの祭典。一度でいいから行ってみたいよね。

Vengeance Soundとは切り離せない関係にある

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ハンズアップで使われているドラム素材や声ネタの大半はVengeanceのサンプルパックで手に入ると言っても過言ではないくらい頻繁に用いられている。

同じくVengeance Soundが手掛けているソフトシンセのAvengerNexusにも同じ音が収録されているほか、ハンズアップに使えるプリセットがわかりやすい名前で収録されていたりする(PluckのHands Up BellsやLeadsのCome with meなど)。

即席ハンズアップマシーンなのでどれか持っておけばすぐハンズアップの音が出る。作る人は是非参考にしてほしい。

ハンズアップを掘る

ここまでで紹介した曲はほんの一部かつ筆者の好みに大きく偏っている。より広く聴いて自分だけの「お気に入りの1曲」「信頼できるアーティスト」を見つけてほしい。この方法は他のジャンルでも大体通用するので覚えておこう。

Hands UpまたはHandz Upで検索してもなかなかヒットせずお悩みの方も居るかもしれない。まんべんなく聴きたい場合はYouTubeでhands up mixと検索して出てきたMIXテープを聴くのが楽しいしお手軽。そこから使われている曲とアーティストを知って掘り下げていこう。

YouTubeの関連動画を辿っていくのも非常に有効。YouTubeは音楽聴くためのツールじゃねえと思っている方もとりあえず試してみてほしい。

またSoundCloudを掘れば個人的に制作したブートレグも見つけられる。BOOTHやBandcampもたまにチェックしよう。

ハンズアップを買う/聴く

近年は国内の同人CDを除いてほとんどがダウンロード販売で提供される。iTunes Storeで買うこともできるが、個人的にはBeatportもオススメ。

BeatportはDJ向けに特化したダウンロード販売サービスで、ジャンル別(Hands UpはHarddanceに含まれる)で探すこともできる。リリース元のレーベルから探すこともできるので大変便利だ。

SpotifyApple Musicでのストリーミング配信もあるし、それらのレコメンド機能*4で更に掘ることもできる。気に入った曲は忘れずにお気に入り登録しよう。

最後に

独断と偏見でハンズアップはこうだ!なんて書いてしまった。書いている途中に我ながら自分のジャンル判定がガバガバなことも判明したし、現場のプロからすると間違っていることも沢山書いてそうだ。「これは違うよ!」や「これも良いよ!」といったコメントは受け付けているのでじゃんじゃん書いてほしい。

最後に筆者が作った最悪なセルフリミックスでお別れしよう。


*1:スキャットマンとかそのへん。日本だとユーロダンスのサブジャンルのバブルガムダンスに分類されるSmile.dkのButterflyが超有名。

*2:この時代のハードスタイルは近年のものとは音も曲調も大きく異なることは補足しておく。

*3:ちなみに同曲のメロディーはUK HardcoreのS3RLのPretty Rave Girlにも使われている。

*4:筆者は能動的に掘るのが面倒になったので、最近はSpotifyのRelease RaderとDiscover Weeklyに頼りっぱなしだ。