信頼できる発行元

百均とジャンクコーナーと時々中華通販

インターネットをやめろの歌について

悪趣味な曲をTwitterで公開してから1年が経った。作者本人としては特別お気に入りというわけでもないのだが、1年以上経った今でもたまに思い出したかのようにリツイートされるので好評いただけているようだ。

リツイートされるのが嬉しくてリミックスを公開するなど擦りまくってきた。今回は一区切りつけるという意味で制作意図について語ろうと思う。

元ネタ

古くから用いられている煽り文句「インターネットやめろ」から来ているのはご存知の通り。

404お姉さん

f:id:darekasan_net:20210617170354j:plain

リュックサックを背負ってこちらを向いて微笑む金髪の女性。本名はハンナ・ステラー。元はストックフォトとして販売されていた写真らしい。

この写真は「目的のWebサイトが消滅し、ドメインが売りに出されているときに表示されるページ」にたまたま使われて有名となり、404お姉さんやParked Domain Girlといった愛称で2000年代のネットユーザーの間で親しまれていた。

インターネットやめろステッカー

f:id:darekasan_net:20210617170816j:plain

404お姉さんの写真を丸く切り取り、「インターネットやめろ」の文字を入れたステッカー風の画像。いつどこで生まれたのか不明。

インターネットをやめろの歌の動画はこちらの画像から着想を得たほか、最後にこの画像を表示している。

制作意図と歌詞の意味

この曲の意図はどちらかというと「おまえムカつくからインターネットやめちまえ」といったものではなく、「あなたの健康と心の安全のためにインターネットをやめていただけないでしょうか?」という意味だ。

これは歌詞の「インターネットをやめておだやかな生活へ」から読み取ることができる。

当然だが、「回線で首釣って死ね」*1という歌ではない。

嫌いな人のツイートをわざわざ見に行ってしまう心理

嫌いな人のツイートをわざわざ検索してプロフィール画面を開いて見に行って、さらにはスクショして晒し上げする、そういった行動をする人が居る。

これは「やっぱりあいつはクソ野郎だった!ムカつくやつめ!」と再確認して僅かながら気持ちよくなる(報酬を得る)ことから取ってしまう行動らしい(この現象についてのツイートを見かけたことがあったのだが、見つけられなかった)。

しかし、よく考えてほしい。嫌いな人のために使う時間は自分にとって有意義なのか?ということを。

そんなフォロワーの身を案じてこの曲を作った。

検索して見つけてまで他人を叩く人

Twitterは近い価値観や趣味を持つ人間同士で自然とグループ(クラスタ)が形成され、それぞれのグループでTwitterの運用方針がなんとなく決まっている。しかし、一歩そのグループの外へ出てみる(ツイートを検索、あるいはリツイートで回ってくる)と価値観が全く違う価値観を持ったグループがあることがわかる。

そう、Twitterは異なる価値観を持ったグループが無数に存在し、それら別グループと地続きで繋がっている仕組みになっている。

自分が所属しているグループとは別のグループのツイートは異質に見えるし、非常識だとか頭がおかしいとまで思うこともあるだろう。しかし、あなたがそれを晒し上げたとして何らかの利益はあるのだろうか?

わざわざ河原の石をひっくり返して出てきた虫を「気持ち悪い!」と言う必要までは無いし、虫にとっても迷惑だ。

人々はインターネットに疲れている

理由はどうあれ、インターネット上でしなくてもいいことをわざわざして疲弊している人は多いと思う。

未来永劫と言わず1日でも1時間でもいいのでインターネットから距離を置いて落ち着いてほしい、というのが作者の願いだ。

なので、

  • インターネットのしすぎで疲れている人
  • 用事もないのにTwitterをだらだらと見て生産性を損なっている人
  • インターネットで負の感情を撒き散らしている人

これらに当てはまる人に是送ってあげてほしい。

入念に仕込まれたバズりの秘訣

制作当初から「これは1万リツイートくらいは行くだろ」と思いながら作っていた。偶然ではなく、最初から仕込んでいたのだ。

短い

20秒も無いので気軽に観られる。

合唱風

普段どおりシンセサイザーを使ってダンスミュージック調にしようとも考えたが、好みが分かれやすいのでやめた。合唱曲なら誰でも知ってるし、極端に嫌いって人あんま居ない。

真似もしやすい。

歌詞

考察の余地もない単純な歌詞。より多くの人の共感を得るため過激にはせず、細かくもしない。

「やめろ」と言うと語気が強く感じられる。弱い人間は強い語気につられやすい。でも強すぎるとなんだか中2臭くて恥ずかしいので後半の「やめて」や「おだやかな生活へ」で中和すると共に曲調にも合わせる形になっている

コールアンドレスポンスパターン

ソプラノの「インターネットをや~め~ろ~」に他のパートが「やめろ」と続く。

キャッチーで真似したくなるほか、強調して「やめろ」が主軸であることを印象づけている。

コード進行

コード進行はシンプルかつ日本人に馴染み深い4536進行(王道進行)を用いた。そして後半ではモーダルインターチェンジでⅢmをⅢ△にし、メロディーも短三度を入れる。日本の商業音楽でよく使われるテクニック。

音楽ちょっとかじってる人はみんなYOASOBIズルいなって思って聴いてると思う。こんなん絶対流行るじゃん。ツボ大体押さえてる。

主旋律

メロディーは大部分がコードの構成音をなぞっていて単純で、リズムもストレートで覚えやすい。それでいて前後半で抑揚もある。

一度聴いただけで口ずさめる。

縦横比1:1

タイムラインに流れてきたときに大きく表示され、スマホでもPCでも大きく表示できる縦横比1:1を採用した。よく目立つ。

ネタが微妙に古い

2000年代後半とやや古いネタが使われている。それでいて、ネタを知らなくても楽しめるようにしている。

懐かしい系のネタは条件反射でリツイートする人が多く簡単に支持を得やすい。

ゲーミング○○

ゲーマー向けのキーボードやマウス、パソコン本体などを光らせる文化。近年は1677万色から色を指定して光らせることができたり、さらには音に同期したり箇所によって色を変えることができたりと無駄に光らせる機能が充実した製品が増えている。その上で「無駄に光っていたり虹色だったりするもの」を「ゲーミング○○」と揶揄することがある。

本作投稿からしばらくして日本のTwitterユーザーの間でもParty Parrotが「ゲーミングインコ」として広く知られるようになるなど、2020年は「ゲーミング○○元年」となった。

歌詞表示

動画には歌詞が表示されているし、歌詞ツイートもぶら下げてあるので音が出せない環境でもなんとなくわかる。

リミックスパック

インターネットをやめろremix pack - Google ドライブ

MIDIファイルや音源、動画を配布している。リミックスの制作などにお使い頂ければ幸いだ。

なお、何も手を加えていない動画そのものや音楽そのものをYouTubeなどにアップロードすることはご遠慮いただきたい。

EUROBEAT EDIT

HANDS UP EDIT

関連作品

インターネットやめないで

影響を受けた友人が制作。平日朝やってる幼児向け番組みたいで良い。

アホ死ね

第68代横綱朝青龍の実際のツイートを元に作詞。心痛む悪い言葉やめましょうね!

そんなことより

ほぼ同時期に作ってたまともな曲を聴いてほしい。

*1:近年では携帯電話や固定代替回線を利用する人が増え、物理的なケーブルでインターネットをしている人ばかりではないのでナンセンスかも。