電子楽器のジャンルの中に「ガジェット系」と呼ばれるものがある。これという定義は無いが、小さいボディにシーケンサーと音源、そしてそれを操作するパネルが備わってるものはこの括りで語られるそうな。
価格帯は1万円台後半から。電子楽器としてはとても安い。一つ一つ出せる音に限りがあるが、複数台をケーブルで接続すれば同期演奏ができ、それなりに立派な音楽になることから機材漁り好きなテクノ屋に人気。
ことの発端
楽器屋にふらっと寄ってみたら、中古のテクノ機材が何台かあった。その中にベリンガーのTD-3があるのを発見。しかも9千円とかなり安いので即決。
よくわかんないけど楽しい! pic.twitter.com/Hj1uiCmHyJ
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年7月1日
ベースシンセTB-303クローンである。本家がDSPでアナログモデリングして進化版を出してる中、こいつはオリジナルに近いアナログ音源。もちろんMIDIやUSBといった現代の装備も与えられて新品でも1万ちょいで買える。
クセのある内蔵シーケンサーには「いい感じに怪しいフレーズを生成してくれるランダマイズ機能」が付いていて、これが結構面白い。
一台でも十分楽しい……だけど、他のパートが欲しい……
このままTD-3を一人にしておかないためにどうしたらよいでしょうか?
シンセを増やそう
Roland AIRA Compact S-1
音源は4音ポリで本体のボタンでも演奏できるほか、MIDIキーボードを接続しても楽しめる。シンプルで音作りがしやすく、初心者にもおすすめ。
リズム隊欲しくなっちゃった pic.twitter.com/O2NbuRkJKb
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年7月12日
AIRA Compactシリーズはガジェット系シンセとしては後発だけあっていろいろ使い勝手がよくできている。また、同じジャンルの楽器でもKORGのvolcaシリーズとは微妙に思想が違うことも読み取れる。スピーカーは無いけど、数珠繋ぎにしてイヤホンや良いスピーカーで聴けるというあたりが。
そして気づく
ガジェット系シンセって一台1万円台から買えて手軽に思えるが一台買うともっと沢山欲しくなって止まらなくなる沼なのでは? pic.twitter.com/ZA8BbeslGd
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年7月12日
「ガジェット系シンセって一台1万円台から買えて手軽に思えるが一台買うともっと沢山欲しくなって止まらなくなる沼なのでは?」
「こいつら買う金で全パート鳴らせるシンセ一台買えるのでは?」
「高校生の頃に買ったJD-Xiなんて5万円で4トラック使えるぞ?」
だいぶ粗削りだがPopcorn(JD-Xi Cover)ができた pic.twitter.com/2oZBrW6NU7
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年8月9日
でも増やす
ゲームボーイ(LSDj)でもいいけどやっぱリズム隊ほしいなあ。T-8でもいいけどあいつ909の金物鳴らせないしなあ。
と思いながらまた同じ楽器屋に行ったらvolca sample(無印)があったので購入。すぐ隣にJ-6もあったのでこれもなんとなく購入。
KORG volca sample
リズム隊。音声ファイルをスマホから差し替えて好きな音を鳴らせる。
内蔵のサンプルをほとんど消して好きなサンプルをたくさん入れた。安価ながらも使い方次第で色んなシーンに適合する面白い楽器だと思う。
これから買うならvolca sample2のほうが断然使い勝手が良い。が、無印は非公式のファームウェアでいろいろできるという利点もある。
Roland AIRA Compact J-6
ちょっと変わり種。簡単操作でコード進行をプログラムして、じゃーんと鳴らしたりアルペジオでポロロンと鳴らしたりできる。
いい感じのコードセットが百種類くらい用意されていて、音楽理論をかじってる人もそうじゃない人もそれっぽく組める。
見せてやりてえよ本物のDTMってやつをよォ pic.twitter.com/coPjZ8zd8u
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年7月16日
ずいぶんと賑やかになった。
ミキサーはMaker hart Just Mixer S。音質ははっきり言ってダメだが、単4電池2本で駆動し場所も取らないのでちょっとしたときに便利なヤツ。
思いつきsynth jam pic.twitter.com/HuOud4QDSt
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年10月12日
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年9月27日
機材が増える!つなぐ!楽しい!
たくさんの機材を抱えてベッドの上にぶちまけて繋いで鳴らして遊ぶ、チープだがとても充実した音楽体験が得られる。
こいつら買うのにいくらかかったの?マジでちょっと上等なやつ一台普通に買えるのでは。
それでも増やす
KORG Nu:tekt NTS-1 digital KIT
DIYキットと言ってもはんだ付けは既にされているので、プラモ感覚で組み立てるだけ。
地味なモノフォニックデジタルシンセかと思いきや、オシレーターやエフェクト(外部入力にもかけれる)をC言語/専用SDKで作って焼けるマニアックなマシン。ネット上にはユーザーが制作したユニットが多数公開されているので、プログラミングの腕や信号処理の知識に自信がなくても十分楽しめる。
外部入力にもエフェクトがかけられるというところがミソ。
SONICWARE LIVEN 8bit warps
音源部は8bitをイメージした6音ポリのデジタルシンセ。ファミコンのパルスやギザギザの三角波はもちろん、SCCをイメージした波形メモリ音源などが出せる。
公式サイトでは細かく魅力が語られているので、ご一読いただきたい。
と、いうのも、こいつは最大128ステップのシーケンサーに4トラックオーディオルーパー、パターンとは別のパッチメモリーと、とにかく高機能で全体を把握する前に力尽きてしまったのだ。音は良い。
Behringer RD-6
TD-3には相棒とも言えるリズムマシンRD-6がある。こいつもフルアナログ音源。いや、リズム隊はvolca sampleで間に合ってたんだけどなんかほしくなっちゃって。
めっちゃ良い色 pic.twitter.com/Nk3ArQ7W6o
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年10月17日
たのしい pic.twitter.com/Wfuv6vIOf3
— だれかさんねっと (@darekasan_net) 2023年10月17日
元ネタはRolandのTR-606。ハンドクラップが追加されてるのがかなり良い。
本家同様改造してキックのディケイを可変にしたりなどができるらしいが、美しい筐体を傷つけたくなくなったので改造は見送った。
次回予告