グリーンハウスのUSB接続のLTEモデムを格安で入手し、なんとかして使えるようにした。
GH-UDG-MCLTEシリーズについて
グリーンハウスから発売されているUSBドングルタイプのLTEモデム。
対応キャリアはdocomoとau。バンドは1/18/19に対応。
パソコン向けのGH-UDG-MCLTECと、組み込み/ネットワーク機器*1向けのGH-UDG-MCLTEDが存在する。どちらもAM TelecomのAU5700のOEMで、USB接続時の認識が違うだけでハードの仕様は一緒のようだ。
今回入手したのはDの方で、パソコンで使うにはモード設定の変更が必要だった。
パソコンに挿してみた
「ルーター用なのでパソコンでは使えません」という注意書きを無視し、パソコンに接続してみた。
パソコン向けのGH-UDG-MCLTECの場合はRNDISデバイスとして認識してWebインターフェースでAPN設定を行うなどしてインターネットに接続することができる。
こちらのGH-UDG-MCLTEDは接続するとUSB-CDCで認識するが、TeraTermなどでCOMポートを開いてみても特に反応がない。エコーはあるものの、起動時にログが流れるわけでもなく、ATコマンドに反応するわけでもないので謎。
グリーンハウスのWebサイトから「GH-UDG-MCLTE用インストーラ」をダウンロードしてインストールしたところ、COMポートが3つ増えた。1つはATコマンドに反応し、IMEIやSIMカードの電話番号などを見ることができたが、使用方法がわからなかった*2。
モード変換用ツール でパソコン用にする
グリーンハウスの「LTE USBドングルファームアップダウンロード」のページに「GH-UDG-MCLTEB_C」用のモード変換用ツールというのがあったのでダメ元で試してみた。
先に「GH-UDG-MCLTE用インストーラ」をインストールしたが、もしかしたら不要だったかもしれない(未検証)。
明らかに対象の型番ではないのだが、変換用ツールはLTEドングルを認識し、「Start」が押せる状態になっていたので押してしばらく待つと、成功したっぽいメッセージが表示され、RNDISで認識するようになった。
なお、このツールでは元の状態には戻すことができなかった。対応ルーターで使う予定があるなら実行してはいけない。
いろいろ試したメモ
手持ちのSIMを一通り挿してみた。設定画面では電波強度や電話番号、事業者くらいしか見れない。ちなみにサイズはmicroSIM。
追記: povo2.0でも通信ができた。トッピングなしで0円運用(正確には180日以上トッピング購入または一定額以上の通話・SMS送信料が無いと契約解除)ができるため、ちょっとしたIoT機器にピッタリかも。
設定は http://192.168.225.1/ で行う。
- donedoneエントリープラン(au網)のSIM → APN設定後、接続OK
- povo1.0 → APN(LTE NET)設定後、接続OK
- povo2.0 → APN(LTE NET)設定後、接続OK(電話番号表示なし)
- Rakuten UN-LIMIT → APN設定後、接続OK
家が楽天回線エリア外なのでパートナー回線での接続しか確認できていない。設定画面の通信事業者の欄には44053と表示されていた。
RNDISとして認識するので、AndroidスマホのUSBテザリングが使える環境なら使用可能だ。APNなどの設定はドングル本体に保存されるため、設定後はどのパソコンでも挿すだけでインターネットに接続される。ラズパイでも問題なく使用できた。
挿してから接続確立まで約17秒かかる。
インジケーターランプを見る限り、電源さえあればネットワークに接続されるようだ(意味はないけれど)。
最後に
NVR510を持ってるのでそちらでも試してみたかったが、モード変換用ツールは一方向のみで、元のルーター用の設定に戻すことができなかったので結局試せなかった。
本機の利点はバッテリーや無線LANを持たないシンプルな構造と、OSに依存しがちなLTE接続処理部分などを隠蔽(端末側からはEthernetにしか見えない)していることだ。
パソコンで使う際の利便性ではスマホのテザリングやモバイルルーターには敵わないが、常時稼働が必要な用途で威力を発揮しそうだ。