PCから高品質で音を出したり録音したり、楽曲制作などに使われるオーディオインターフェイス。現在では取り回しの良いUSB接続タイプが主流だが、過去にはFireWire(IEEE1394)接続のものも見られた。
現代のPCに標準装備されていないという理由だけで、今ではほとんど見向きもされなくなったFireWire接続のオーディオインターフェースを安く入手し、手軽に高音質の再生環境を手に入れちゃおうという記事。
MOTUのオーディオインターフェースが欲しい!
ある種のあこがれである。古くから高音質と安定性の高さで一定の支持を誇るMOTUのオーディオインターフェースがほしい。
MOTUのTraveler(これもFireWire接続)を借りる機会があり、古いVAIOにつないでヘッドホンを挿して聴いたことがあるのだが、これまでの価値観を滅ぼすほどの圧倒的な解像感とレンジの広さに驚いた記憶がある。もう、URシリーズとかじゃ満足できない、と。
https://www.soundhouse.co.jp/search/index?s_maker_cd=464&s_category_cd=191&i_type=cm
エントリー向けのM2は新品で3万円台と手が出せなくはないが、ハードシンセを複数台つないで使うことを考えるとUltraLiteくらいは欲しい。しかし、そうすると新品で10万円を超えてくる。
きっかけは「勘違い」から
中古品はどうだろうか。ヤフオクを見てみるとなんとUltraLite mk3が1万円台で出ていた。急いで入札した。
が、しかし、重要なことに気づく。
UltraLite mk3はFireWire接続で、USB接続も可能なものはUltraLite mk3 Hybridであること。
ああ、間違えて入札してしまった。メインPC(スリムケース)で使う予定だったのに。
無いなら付けよう!FireWire
FireWireもといIEEE1394のポートは、2000年代であれば国内メーカー製のパソコンにもよく搭載されていた*1し、Macでは10年ちょっと前まで搭載されていた。今となってはレガシーインターフェイスであり、現代のパソコンでは一工夫加えなければ扱えない規格だ。
方法はいくつかある。*2
- PCIまたはPCIeカードでFireWireポートを増設する
- Thunderbolt 3からThunderbolt 2に変換し、ThunderboltからFireWireに変換する
- PCカードまたはExpressCardで増設する
- 古いPCで使う
1番の方法が最も安価だがデスクトップPCに限られる。2番はノートPCでもできるが、変換アダプタだけで2万円近くかかってしまう。3番はできるノートPCの機種がかなり限られる。
2番の方法では最新のmacOSでApple SiliconでTravelerが動いたという報告もある(すごい)。
今回はPCIeカードで増設することにした。MiniITXなので、無線LANカードを外して変換することで増設した。
接続する
FireWireのコネクタは3種類あり、パソコン側とオーディオインターフェイス側が違う形なら単純な変換ケーブルで変換が必要。
今でも新品が買えるほか、ハードオフのジャンクコーナーでもよく見かける。
ドライバを入れる
MOTUのダウンロードセンターでは製品を選ぶとダウンロードリンクが表示される仕組みになっているが、ここで正直に選んでしまうとめちゃくちゃ古いドライバがダウンロードされるので、後継機種を選ぶ。後継機種のドライバだがなぜか普通に動く。WindowsでもmacOSでも事情は同じ模様。
今回はUltraLite mk3 Hybridを選んだ。
100円で買った828初代は動くのか……?
サブPC用にオーディオインターフェイスが欲しかったので、MOTUの828初代をヤフオクでゲット(送料含めると2000円くらい)。
上記の方法でドライバをインストールし、FireWireで接続したらちゃんと音が出た。
古いのでガリがひどい(後継機はロータリーエンコーダーになのでガリがない)が、それ以外は至って普通。
おわり
ちょっとの工夫で10万円以上相当の環境が安く手に入るのでケチなDTMerやプアオーディオマニアにオススメ。MOTU以外でもFireWire接続のオーディオインターフェースはあるが、MOTUほどドライバのサポートが続いているメーカーはほかに無いと思う。
どうせ買うなら液晶画面が付いている世代の機種がオススメ。内蔵DSPによるミキサー機能(CueMix FX)が使えるほか、音量調整がエンコーダーなので古くてもガリがない。