前回書いた通りキャンドゥの500円のスピーカーは価格と音質のバランスがよく、カジュアルなリスニングに耐える非常に良くできたスピーカーだ。しかし、筆者は他にもっと高音質で小型なスピーカー*1を持っているので使い途が無い。
余していてはもったいないのでエンクロージャーを自作してスピーカーを移植することにした。
結論から言うと音質的には失敗に終わってしまった。でも、なんだか親しみやすくて愛着の湧くルックスに仕上がったと思う。
設計
今回は密閉型だったものをバスレフ型に作り変えることにした。バスレフ型とは箱に空気を出し入れする穴が付いているものを指し、小型でも低域の音量を確保しやすいことから非常によく用いられている。
ダイソーで売られている6mm厚のMDF板をレーザー加工機で切り出して作ることにした。レーザー加工機は持っていないので大学で借りた。
図面を書くのに使ったのはCADではなくAdobe Illustratorである。
本当はスピーカーユニットの特性から箱の大きさやバスレフダクトの長さなどが決まってくるのだが、データシートも無ければスピーカー設計の知識も無いので本当にいい加減な数字を当てはめて設計を行った。
これくらいの大きさだったら良いなという感覚で線を引いて作った。125 * 65 * 90。液晶モニターの下に置きやすいサイズにした。
組み立て
レーザー加工機で切り出したパーツを木工用ボンドで接着して組み立て。
万力で固定せず組み立てたので隙間が出来てしまった。
内部には吸音材代わりのフェルトを貼った。背面にはプッシュターミナルを付けたのでケーブル/アンプはそのまま使える。
バスレフダクトは3Dプリンターで筒状のものを作ってはめる。長さをいくつか用意して「一番音が良い気がする」60mmを採用。
感想
端材や解体品の板を流用したため見た目はあまりよくない。自由に色を付けたりニスを塗ったりできるが面倒なのでしなかった。これはこれで味があるというものだろう。そしてなんといってもスピーカーのコーンが白いのがアクセントになっていてかわいい。
はっきり言って音質は良くならなかった。プラスチックっぽい音ではなくなったが、低域の量感は減ってしまい、中高域の輪郭はぼやけた印象になった。また、周波数特性が少しいびつになり、スネアドラムだけやたら目立つようになった。
これはダイソー300円スピーカーで作ったスピーカー。今回のスピーカーはこれよりはまともな音がする。